一般寺院の法要と儀式

「法要とは、仏祖を礼拝供養し、経典を読誦し、仏徳を讃嘆して、報恩の至誠を表す行事をいう」
(「法要儀式規程」第一章第一条)とあり、また「儀式とは、仏前に於いて行う、法要以外の行事をいう」(同第四条)とある。

一般寺院で勤修される法要の期日・荘厳・作法・次第などは、次の通りである。

恒 例 法 要

1 平常時の荘厳と日次勤行

◎ 荘 厳

○本 堂

○ 内陣中央

御本尊(宮殿・須弥壇)

上 卓  四具足(華瓶一対・蠟燭立・火舎)

前 卓  三具足(花瓶・蠟燭立・金香炉│香炉台、土香炉)

金灯籠  一 対

輪 灯  一 対

○ 左脇壇(向かって右)

宗祖御影(厨子・須弥壇)

供飯台 (供飯に際して舗設する)

前 卓  三具足

金灯籠  一 対

輪 灯  一 対

○ 右脇壇(向かって左) 

先師御影または蓮如上人御影

前 卓  三具足

菊 灯  一 基

○ 左余間(向かって右) 

聖徳太子御影

前 卓  三具足

菊 灯  一 基

○ 右余間(向かって左) 七高僧御影

前 卓  三具足

菊 灯  一 基

〔注〕

①本堂の構造によっては、右脇壇(向かって左)および両余間の荘厳は、原則を外れない範囲で適宜に変更してもよい。

②中央の前卓の代わりに常香盤を、両余間の前卓の代わりに香卓(土香炉を置く)を用いてもよい。

③由緒ある宗主または開基などの御影を安置する場合は、両余間に適宜に奉懸する。

④内陣の両脇壇前に回畳を敷く。左脇壇前(向かって右)の回畳第一席(または外陣正面)の住職席前に経卓を置き、浄土三部経および正信偈・三帖和讃をのせる。経卓の右側には沙羅(または小蠟)を置く。

⑤沙羅は内陣に用い、大蠟は外陣または余間に、小蠟は内陣・外陣いずれにも用いる。

⑥法要時には、天蓋および礼盤〔向卓(立経台)、脇卓(塗香器・柄香炉)、礼盤、磬台(磬・磬枚)〕を舗設する。

◎ 勤 行

晨 朝  正信偈(草譜)和讃六首引(三帖和讃を順読)・御文章拝読

日 没  正信偈(草譜)・短念仏・回向

2 宗祖月忌法要

◎期 日  

毎月15日・16日

◎荘 厳  

平常時の荘厳

〔注〕

荘厳については、以下に平常時と異なることのみ記載する。

◎法 要

逮 夜  五会念仏作法

晨 朝  正信偈(行譜)和讃六首引

日 中  大師影供作法

3 元 旦 会

◎ 期 日  

1月1日

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  御鏡餅一具(上卓または前卓に供える)

前 卓  三具足・打敷・水引

礼 盤  打 敷

○ 左脇壇(向かって右)

供飯台  打 敷(供飯に際して舗設する)

前 卓  三具足・打敷

供 物  御鏡餅一台(前卓または須弥壇に供える)

○ 右脇壇(向かって左)

前 卓  三具足・打敷

供 物  御鏡餅一台(前卓の香炉のうしろに適当な台を置いて供える)

○ 両余間

供 物  御鏡餅一台(適当な台を置いて供える)

〔注〕

①右脇壇(向かって左)および両余間は、前卓または香卓の香炉のうしろに、適当な台を舗設して御鏡餅を供える。

②由緒ある歴代宗主の御影は余間に奉懸し、御鏡餅一台を壇上に供える。

③御本尊前の供物は、一具(一対のこと)または二具の場合は上卓か前卓に供え、三具以上は須弥壇に供える。

④左脇壇(向かって右)の供物は、一具または二具の場合は前卓に、三具以上は須弥壇に供える。右脇壇(向かって左)は前卓に供える。

⑤左脇壇(向かって右)の供飯台・打敷は、上供していない場合は撤去する。

◎ 法 要

晨 朝  正信偈(行譜)和讃六首引

日 中  大師影供作法または無量寿経作法

4 春季彼岸会

◎ 期 日

3月18日(または17日)晨朝から第七日の日中法要まで七日間

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  三具以内

前 卓  三具足・打敷・水引

礼 盤  打 敷

〔注〕

両脇壇・両余間は平常通り、または打敷および供物一具を荘厳してもよい。

◎ 法 要

晨 朝  重誓偈作法および早引和讃、または正信偈(行譜)和讃六首引

日 中  無量寿経作法または観無量寿経作法・阿弥陀経作法

逮 夜  讃仏偈作法

5 開宗記念法要

◎ 期 日 

4月15日

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  一 具

前 卓  三具足・打敷・水引

礼 盤  打 敷

○ 左脇壇(向かって右)

供飯台  打 敷(供飯に際して舗設する)

前 卓  三具足・打敷

供 物  一 具

〔注〕

右脇壇(向かって左)・両余間は平常通り、または打敷および供物一具を荘厳してもよい。

◎ 法 要

広文類作法または正信念仏偈作法

6 宗祖降誕会

◎ 期 日  

5月21日

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  一 具

前 卓  三具足・打敷・水引

礼 盤  打 敷

○ 左脇壇(向かって右)

供飯台  打 敷(供飯に際して舗設する)

前 卓  五具足(または三具足)・打敷

供 物  一 具

〔注〕

右脇壇(向かって左)・両余間は平常通り、または打敷および供物一具を荘厳してもよい。

◎ 法 要  

無量寿経作法

7 盂蘭盆会

◎ 期 日  

8月15日

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  一 具

前 卓  三具足・打敷・水引

礼 盤  打 敷

○ 左脇壇(向かって右)

供飯台  打 敷(供飯に際して舗設する)

前 卓  五具足(または三具足)・打敷

供 物  一 具

〔注〕

①右脇壇(向かって左)・両余間は平常通り、または打敷および供物一具を荘厳してもよい。

②由緒宗主御影または開基・先住職などの御影がある場合は、両余間に適宜に奉懸して荘厳する。

◎ 法 要

逮 夜  二門偈作法または讃仏偈作法

晨 朝  往生礼讃偈または正信偈(行譜)和讃六首引

日 中  無量寿経作法または観無量寿経作法・阿弥陀経作法

8 秋季彼岸会

◎ 期 日

9月20日(または19日)晨朝から第七日の日中法要まで七日間

◎ 荘厳・法要  

春季彼岸会に同じ

9 報恩講法要

◎ 期 日  

その都度協議して定める。

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  三 具

前 卓  五具足(または三具足)・打敷・水引

礼 盤  打 敷

○ 左脇壇(向かって右)

供飯台  打 敷(供飯に際して舗設する)

前 卓  五具足・打敷・水引

供 物  五具以内

〔注〕

前卓を壇上に置く場合は水引をかける必要はなく、板敷きの上に直接置く場合は水引をかける。

○ 右脇壇(向かって左)

平常通り、または打敷および供物一具を荘厳してもよい。

○ 左余間(向かって右)

聖徳太子御影(内陣側に奉懸)および七高僧御影を奉懸し、各御影前には香卓(土香炉を置く)を置く。または、前卓を置いて三具足・打敷・供物一具を荘厳する。

○ 右余間(向かって左)

七高僧御影を左余間(向かって右)に移し、御絵伝四幅を内陣側より第一幅から第四幅の順に奉懸し、菊灯一対を置く(前卓・三具足の荘厳はしない)。

◎ 法 要

    逮 夜  大師影供作法または広文類作法・二門偈作法・五会念仏作法・奉讃大師作法・正信念仏偈作法

    初 夜  正信偈(行譜)和讃六首引または往生礼讃偈

    晨 朝  正信偈(行譜)和讃六首引または往生礼讃偈

    日 中  大師影供作法または広文類作法・二門偈作法・五会念仏作法・奉讃大師作法・正信念仏偈作法・報恩講作法

10 除 夜 会

◎ 期 日  

12月31日

◎ 荘 厳  

元旦会の荘厳に同じ

◎ 法 要  

重誓偈作法または般舟讃

11 永代経法要

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  一 具

前 卓  三具足・打敷・水引

礼 盤  打 敷

〔注〕

両脇壇・両余間は平常通り、または適宜に荘厳する。

◎ 法 要

無量寿経作法または観無量寿経作法・阿弥陀経作法・読経作法、阿弥陀経・短念仏・回向または正信念仏偈作法

12 由緒法要

特に由緒のある宗主または開基などの祥月命日に勤修する法要。

◎ 荘 厳

○ 御本尊前

上 卓  打 敷

供 物  三具以上

前 卓  五具足(または三具足)・打敷・水引

礼 盤  打 敷

○ 右脇壇(向かって左)

前 卓  三具足・打敷

供 物  二具以上

〔注〕

法要に際しては宗主の御影は右脇壇(向かって左)に、開基の自影は右余間(向かって左)に奉懸し、右脇壇(向かって左)または右余間(向かって左)の前卓に、打敷および供物二具以上を荘厳する。

◎ 法 要〔例〕

逮 夜  五会念仏作法または大師影供作法・広文類作法・二門偈作法・正信念仏偈作法

晨 朝  往生礼讃偈または正信偈(行譜)和讃六首引

日 中  無量寿経作法または観無量寿経作法・阿弥陀経作法

 

本ページは『浄土真宗本願寺派 法式規範』をもとに、ホームページ用に抜粋し構成したものであるため、凡例・本願寺・大谷本廟・直属寺院の荘厳に関すること、並びに椅子席規範用語解説、口絵、イラストなどについては法式規範を参照ください。